ロミオとジュリエットの舞台として知られる、北イタリアの街ヴェローナ。
古代ローマの遺跡や中世の町並みが残る美しい街です。
今まで何度か他の季節に訪れたことがあるのですが、この時期(11月〜12月)には市内中心部でクリスマスマーケットが開催されるということを知り、早速行ってきました☆
ヴェローナまでのアクセス
この日は午後から雨予報だったので、朝が苦手な私達にとってはちょっと早めの9時に出発。
家からヴェローナ中心までは高速を使わず車で45分程、高速を使っても40分弱とそれほど変わりません。
イタリアにはタンジェンツィアーレと呼ばれる環状道路が主要都市に走っていて、高速道路ではないのですが速度制限は90キロくらいのところが多く、また一般道にもほとんど信号がなく、ロトンドと呼ばれる反時計回りのロータリー交差点が多いのが特徴です。
このタンジェンツィアーレが比較的空いていたので、スムーズに到着できました。
ヴェローナの街の中心にある、アレーナの駐車場に車を停めました。
ヴェローナの主な見どころはギュッと中心に凝縮されているので、ここからは徒歩で廻ります。
電車でヴェローナを訪れる場合は、ミラノやヴェネツィアからヴェローナ駅まで1時間ちょっと、駅からこの旧市街までは徒歩15分、もしくはバスだと5〜10分でアレーナ周辺に到着します。
観光スタート
見どころが始まるのはPortoni della Bra` ポルトーニデッラブラという名の2つのアーチからなる城門をくぐったところにあるPiazza Bra`(ブラ広場)からです。
城門の手前にクリスマスツリーが出ていました。
アーチ部分は大理石、上部はレンガ造りの城門。
門をくぐってすぐがブラ広場です。
さあこれから街歩き、という前に早速バールでエスプレッソ休憩。
かわいいケーキの並ぶ"Caffe` Wallner"にて。
エスプレッソはスタンディングのカウンター(バンコーネ)で1.2ユーロ。
観光地でも良心的な平均価格。
イタリアのバールはたいてい犬連れ問題なしで嬉しい☆
ブラ広場
カフェインチャージができたのでブラ広場から散策スタートです。
ここはヴェローナで一番大きな広場で、たくさんのレストランが広場を囲むように軒を連ねています。
真ん中にはヴィットーリオエマヌエーレ2世。
どこでもよく見かけるから写真の撮り方が雑。。。
アレーナ ディ ヴェローナ
そしてメインのアレーナ!古代ローマの円形闘技場です。
保存状態がとても良く、2,000年もここにあり続けたとは思えません。
ローマのコロッセオよりもおそらく前に建てられたと考えられているそうです。
現在はコンサートや、夏の野外オペラに使用されており、中に入ることもできます(有料)。
これは数年前に入場した時の写真。
オペラセットの準備中。
マッツィーニ通り(ショッピングストリート)
アレーナ横のルイヴィトンから始まる通りは、Via Mazzini(マッツィーニ通り)という、ヴェローナ旧市街のメインストリートです。
ずらりと一流ブランドショップや有名店が並び、歩行者天国になっています。
この通りの突き当りを右に行くとジュリエットの家、左に行くとエルベ広場です。
エルベ広場とランベルティの塔
私達は先に左へ曲がり、エルベ広場へ向かいました。
エルベ広場に入ってすぐの、右にそびえるのがランベルティの塔です。
ランベルティの塔は1172年に建てられたレンガ造りの塔で、一番上には大理石でできた鐘楼があります。
上に登ると(階段もしくはエレベーター)街が見渡せます。
エルベ広場では歴史的建物に囲まれて、毎日メルカート(市場)が開かれています。
日用雑貨やアンティーク小物、お土産もの、野菜や果物などいろんなものが並んでいて、現在は人はまばらですがいつもは観光客で混み合っています。
普段はこんな感じ(数年前)↓
現在はコロナの影響で観光客はほぼヨーロッパからの人々のため、活気はあまり無いものの、街全体が落ち着いて見えます。
広場の中心には古代ローマ時代の彫刻「ヴェローナのマドンナ」と呼ばれる彫像のある噴水があり、その後ろの建物はフレスコ画の壁面が残っていることで有名です。
クリスマスマーケット(シニョーリ広場)
先程のランベルティの塔の横から、今日のメインであるクリスマスマーケットが開催されているPiazza dei Signori(シニョーリ広場)へ入ります。
現在はこの入口で、グリーンパスのコントロールがあります。
イタリアでは原則コロナワクチン接種を済ませていないと、施設や飲食店店内に入ることができません。
たいていの人はスマホにQRコードを保存していて、それを見せて入っていますが、私は日本で接種を済ませたためにQRコードを持っていないので、接種を受けた自治体と厚生労働大臣発行の証明書を常に持ち歩いて、必要があれば提示できるようにしています。
シニョーリ広場入口。
奥に見えるのはダンテの像。
まだ午前中なので人はまばらです。
12月に入るとここはもちろん、街全体や駐車場が混雑するらしいので、私達は11月のうちに来ることにしました。
雰囲気をもっと味わいたいなら、ヴェローナに1泊して夜のライトアップの中をウロウロするのが素敵なんだろうな。。。
クリスマスマーケットの背景にある歴史的建築が、雰囲気を一段と特別なものにしています。
シニョーリ広場にある中世の宮殿・ポデスタ宮の前には大きなツリー。
ツリーに付ける丸い飾りに入れて売られていたのは、、、
香辛料!!
定番フランクフルト。
チョコがけフルーツ屋さん。
日本のりんご飴のように、棒に刺さったリンゴにチョコレートコーティングされたものが売られていました。
プレッツェル屋さん。
デニッシュリングのようなものも。おいしそう☆
こちらはTorrone トローネというクリスマス時期に食べられるヌガー菓子。
ガリガリ硬いものと、ヌチョッと粘着系のものとあります。
こちらはピザパンみたいなのやミートパイのようなものを焼いてました。
このシニョーリ広場から絵画館のアーチをくぐると、ランベルティの塔の裏側にある小さな広場につながります。
こちらでもたくさんのお店が出ていました。
ぐるっと縞模様の美しい建築に囲まれた広場です。
こんなかわいらしいクリスマスショップも。
ホットワイン屋さん。
ホットチョコレートの良い匂いが漂うホットドリンク屋さん。お菓子も。
これ、私の大好物タラッリのお店。
南イタリアの伝統的なリング状の固焼きビスケット(?パンかな?)で、オリーブオイルと白ワインが生地に練り込まれていて、歯ごたえがとてもサクサクしておいしいのです。
これだけをおつまみにワイン1本飲めるくらい好き☆
そのタラッリのいろんな味バージョンが並んでいました。
写真はほとんど食べ物のお店ばかりですが(反省)、実際はツリーの飾りやクリスマスキャンドル、アートの美しい食器や木彫り、手袋&靴下、おもちゃやぬいぐるみなど、雑貨屋さんもたくさんありました。
クリスマスグッズの色合いって、鮮やかで、キラキラで、見ているだけでウキウキ楽しい気分になれてほんと幸せです☆
食べ物も他にはマカロンやストゥルーデル、パニーニやケバブ、ビール、ワインとあれこれ目移りするものばかり。
クリスマスマーケットを大満喫することができました☆
ジュリエットの家
次は先程来た道を少し戻り、ジュリエットの家に向かいました。
エルベ広場から徒歩2分くらい、すぐそばです。
こちらでも現在入り口でグリーンパスのコントロールがあります。
入ってすぐが、かの有名なバルコニーのある庭です。
普段は激混みですが、今はガラガラでした。
奥のジュリエットの像は、胸の部分を触ると幸せになれると有名なので、こちらも通常時は胸を触る人々の行列がありますが、今日はすんなり触れました☆
その後は古代ローマの遺跡が残るレオーニ通りを通ってアディジェ川まで進みます。
アディジェ川
趣のある町並みを眺めながらアディジェ川沿いを北へぐんぐん歩きます。
先にはテアトロロマーノ(ローマ劇場)と、その丘の上にサンピエトロ城が見えます。
聖アナスタシア教会
川沿いの道を進むと少し左に迂回するところがあって、ゴシック建築の代表作聖アナスタシア教会を横切ります。
また川沿いに戻って少し行くと、お目当てのピエトラ橋が見えてきます。
この日はちょうどこの辺りで、ポツポツと雨が降り出しました。
ふいに鐘の音がして見てみると、ちょうど12時、先程の聖アナスタシア教会の鐘が鳴り響きます。
ピエトラ橋
そしてピエトラ橋の入口に着きました。
このピエトラ橋は古代ローマ時代から木製の橋として存在し、左岸側には一部残っているようで、現在は石造りのアーチ橋になっています。
橋の上にはクリスマスマーケットの出店準備中のお店がありました。
橋から先程通って来た道の眺め。
ちょっと軒先をお借りして雨宿り中。
橋を渡るとローマ劇場、そしてその丘の上にあるサンピエトロ城の前の広場からは、ヴェローナの街が眺められる絶景スポットですが、雨のため一旦ランチをすることに。
ドゥオモ
早足でドゥオモ(大聖堂)を横切ります。
大理石の縞模様が美しいドゥオモ。
正面。
ロマネスク様式の圧巻のドゥオモです。
ランチ
小雨の中を早足で5分弱ほどのところにある「Trattoria La Molinara トラットリア モリナーラ」でランチ休憩です。
開いてすぐの時間帯だったので予約なしで座れましたが、あっという間に満席になり、予約をしていないお客さんはお断りされていました。
常連客っぽい人が多いようで、地元の人気店のようでした。
まず席について注文を済ませると、切りっぱなしのモルタデッラと紙袋に入れられた5種類くらいのパンを持ってきてくれます。(オーダー外)
それを食べながら注文したお料理を待ちます。
ワンコも店内OKでした。
私が注文した赤ワインソースのラグー、フェトゥチーネ。最高。10ユーロ。
主人の注文したピスタチオソースのパッケリ(極太パスタ)。
ほんとこれも最高。同じく10ユーロ。
コントルノのいろいろ野菜。
これだけのって5ユーロ。
最後にエスプレッソを頂いて、大満足のランチでした。
通りがかりでしたが、激おすすめです!
トラットリアなのでカジュアルレストラン、セコンドのメインは牛肉や馬肉のステーキやタルタルなどおいしそうでしたが、パスタだけの注文でも大丈夫です。
接客も親切でキビキビ、とても居心地の良いレストランでした☆
食事後もやはり小雨が続いていたので、一旦車に戻り、展望スポットのサンピエトロ広場へは車で行くことにしました。
ボルサーリ門
駐車場のあるアレーナ近くへ戻る途中に通ったボルサーリ門。
古代ローマ時代の門で、紀元前1世紀に造られたそう。
アレーナまで戻って来ました。
雨なのでお昼時のレストランも人はまばら。
カステルサンピエトロ広場(絶景スポット)
車で先程のピエトラ橋の向こう側にある丘の上の広場、カステルサンピエトロ広場に移動しました。
私達は雨だったので車にしましたが、橋を渡ってローマ劇場から徒歩で丘に登れます。
広場からの眺め。
絶景。アディジェ川が流れるヴェローナの煉瓦色の町並みが一望できます。
上から見るピエトラ橋。
お天気が良いとアレーナも見えるかな。
まとめ
私達はヴェローナに何度も来たことがあるので、ざっくりとまわって、お昼ごはん休憩も入れて4時間の半日観光コースで十分満喫できました。
アレーナや教会、美術館に入場するならゆっくり1日かけて楽しむのも良いと思います。
見どころのつまった旧市街は、徒歩で見学するのにちょうど良い大きさで、トラムやバスを利用せずにブラブラと気楽に楽しめます。
またミラノやローマの大都市と違い、少し緩めの落ち着いた雰囲気の街なので、もちろん人混みは気をつけつつ、リラックスしながら観光できます。
ミラノやヴェネツィアから乗換なしの電車で1時間ちょっととアクセスも容易なので、日程に余裕があればぜひおすすめです。
私も今まで夏頃に行くことが多かったのですが、こんな季節もまた街の表情が違って魅力再発見でした☆
近隣のおすすめスポット、こちらもチェック☆